煙突の見える場所
公開日:
:
最終更新日:2022/05/10
したまち爆笑コラム
さてさて、まるでスイッチが入ったかのように季節が変わり、寒暖の差が激しい今日この頃ではありますが、皆様如何お過ごしでしょうか。
先日ケーブルTVで観た映画「煙突の見える場所」。
1953年公開ですから古い。もうとにかく古い。
監督 五所平之助 出演 上原 謙 田中絹代 芥川比呂志 他
この映画、舞台が私の地元「足立区の千住」ということもあり、以前から気にはなっておりました。
そして冒頭、3本の煙突以外な~んにもない荒寥とした荒川土手をバックにかぶるナレーション。
「この辺は住宅地として、高級とは申しかねます。雨が少し多く降るとこの辺はたちまち洪水で、住んでいる人たちはみんな戦々恐々です。これでも大東京の一角だというんですが・・・」
と、全く容赦ないお言葉。
映画自体は「捨てられた赤ん坊をを巡って繰り広げられる下町人情劇。」
ということでありますが、やはり目を引くのは当時の千住地区の風景や生活様式。
特にタイトルにもなっております煙突(千住火力発電所の4本煙突「通称:おばけ煙突」)
どんな煙突かと申しますと
「千住火力発電所(現在の東京電力)は巨大な4本の煙突を持っていたが、この煙突は付近住民などからは「お化け煙突」の名で呼ばれていた」
では何故「お化け煙突」と呼ばれていたかと申しますと、
1)煙突から時たま煙を吐く姿が「お化け」のようで、火葬場が連想された。
2)見る方向によって、煙突の数が1 – 4本と変化する「不思議な煙突」という意味。
解体は昭和39年3月28日とありますから、当時私は3歳のご幼少のみぎり。
当然リアルな記憶はございませんが、長じて「見る角度によって本数が変わるおばけ煙突」の話はよく耳にしたものです。
そしてこの映画のテーマも、おばけ煙突になぞらえて
「一つの事象もそれを見る人(価値観)、見る角度(境遇・立場)によって見え方が違う」
ということなのでありましょう。
昨今何かと物騒な領海の問題、また一般常識との乖離が指摘される東京電力の対応。
もしも見る角度を少し変えて見る事ができれば、それまでとは違った景色が見えるのでは・・・
な~んて思ったり思わなかったり。
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